アメリカで開腹手術にて子宮を摘出しました。アメリカでの手術について分からないことが多く、経験談が書いてあるブログを探したんですがあまり見つかりませんでした。なので私の体験談をここに残しておくことにしました。
これからアメリカで手術する予定の方、子宮摘出手術をうける方の参考になれば嬉しいです。
子宮筋腫が発覚したきっかけ〜手術日決定まで【アメリカで子宮摘出手術】
子宮筋腫が発覚したきっかけは月経過多
11月の日本一時帰国に向けて、生理日をずらしたくて10月からピルを飲み始める。一時帰国出発前には生理が終わるように計算していたんだけど、なぜか終わらないまま日本へ。
一時帰国中もずっと生理が止まらず、1ヶ月以上出血が続く状態。こんなことははじめてだったんだけど「このピルに慣れるまで時間がかかっているだけだろう」と思っていた。12月にピルの3シート目が始まり、ようやく出血が止まった。
でも12月後半に今までに経験したことがない出血と巨大なかたまりが出る生理が始まり、いちばんひどい日は外出も出来なかった。多い日用のタンポンを30分おきに交換しないといけないレベル。1月初旬にPlanned Parenthoodに行って相談した。
先生は今までのピルよりやや強めのピルを処方してもらった。また「ピルでしのぐのは問題を無理やり隠しているだけみたいなものだから、産婦人科で一度きちんと検査してね」と言われた。「新しいピルを飲んでも不安定だったら、検査の予約をしたらいいの?」と聞いたら「普通は予約して診察してもらうまでに時間がかかるから、新しいピルの効果がわかる前になるべく早く予約してね」とのこと。
産婦人科の診察予約
どの産婦人科に行ったらいいか分からず、保険会社のウェブサイトのチャットで何をしたいか伝えたら、評判がいいドクターのリストを作成して送ってくれた。一番上に書いてあった先生は家から近い産婦人科にいたので、迷わずその人を指名して予約。3月初旬に初回の診察になった。
産婦人科での診察まで2ヶ月くらいあったが、その間も不正出血が止まらない。ピタッと止む時期もあれば突然血の塊が出たり、出血がダラダラ続いたりする。夜中も寝具を汚しそうで安心して寝られない。常に生理日用のショーツを着用して突然の出血にそなえる。ショーツは一日に何回か履き替えて、毎日手洗いしないと翌日に間に合わなかった。出血量が特に多い日は洗濯が間に合わないので、使い捨てできるショーツ型のナプキンも使った。外出時はショーツだけだと不安なので、タンポンも併用。なので生理用品代も結構かかっていた。
生理痛はイブプロフェンを飲んだらおさまるレベルだったのと、出血量の割には貧血の症状がなかっただけまだマシだったと思う。Work from Homeだったので行きたいときにトイレに行きやすかったのもまだ良かった。外で働いていたらかなり厳しかったはず。
産婦人科で診察
3月初旬に初めての診察。先生は50代くらいの女性。診察前に産婦人科のウェブサイトで大量の質問に答え、Planned Parenthoodでの診察記録を事前に共有していたので、それをもとに色々質問される。通訳を介してやり取りするので時間がかかるし疲れるけど、質問に正確に答えるためには必要だった。
やりとりで何か察したのか、先生が触診でお腹周りを押してチェック。その後部屋を移動して超音波での検査も実施。何か発見するごとに直径を測って記録していく。再び診察室に戻ってきて子宮筋腫があることを告げられた。
そして「手術した方がいい。次回は手術についての説明もするから、旦那さんも連れてきてね」と先生に言われ、二週間後に2回目の受診をすることに。受診前に読んでおくように、と手術の種類やリスクなどが書かれた書類をいくつか渡された。なんだか実感がわかないまま帰宅。他人事のような気がしていたけど、とりあえず書類に目を通す。
産婦人科で子宮摘出手術について説明を受ける
2回目は特に検査もなく、手術の方法についてわたしたちがドクターに色々と質問。
- 子宮筋腫が大きいし、数もある(超音波検査でわかっただけでも3cm、5cm、6cmの筋腫を確認)
- 月経過多が深刻
- 閉経まであと5年はある
という状況から、これから出産することを考えていないなら、と言う前提で開腹手術での子宮全摘出をすすめられた。「腹腔鏡手術はできませんか?」「別の方法はないの?」と聞いたら「子宮筋腫が大きいから開腹手術になる」と即答された。さらに「10cmくらい切る」と言われてかなりビビる。はじめての手術、しかもアメリカで、開腹手術とは…と不安がよぎる。
月経過多でいつ大量出血が始まるか、落ち着くのか全く読めない状況が閉経まであと数年続くくらいなら、いま手術を受けて生理を強制的に終わらせた方が、確実にクオリティオブライフが上がるのはわかっている。卵巣を残しておけば急に更年期障害が起きることもないなら、筋腫だけ摘出するより子宮ごと摘出してしまった方がわたしにとってはメリットが大きそう。筋腫だけ取っても再発する可能性があるし、手術せずに放置しておくと今より筋腫が大きくなる可能性が高い。
「ミネソタの寒い時期に手術を受けるより、春夏の気候のいい時期に手術をした方が何かとラクそうだな」という思いもあったり。雪が積もったりマイナス20度になったりすると病院に行くだけでも大変そうなので。
ドクターには「手術を受けるか受けないかで悩むより、手術を受けてしまった方がいいと思いますよ」と言われ、そりゃそうだよなあと頭では納得できるけど「じゃあ手術します!」とスパッとは返せない。ドクターは「セカンドオピニオンを聞いてきてもいいですよ」「手術を受けるか受けないかはあなたの判断で大丈夫です」とも言ってくれた。
これからセカンドオピニオンを聞くとなると時間がかかりそうだし、そうなると手術は秋になるかもしれない。秋まで月経過多と付き合わなきゃいけないのは、少しこの状態に慣れてきたとは言っても耐えられるか分からない。
それでも手術にかかる金額が想像できずに決断できなくて「一度保険でどれくらいカバーされるのか確認してからまた連絡します」と伝え、その場で決断せずにクリニックを出た。それなら、と先生は「見積もりを出すなら病院はここがいいです」と二カ所指定してきた。
子宮摘出手術を決断
帰宅後、保険会社のウェブサイトで子宮摘出手術にかかる費用を算出してみた。先生に言われた病院2カ所でそれぞれ見積もりを出すと総額では5,000ドルくらい違っていたけど、わたし個人の負担は2カ所とも同額だった。どちらとも保険でカバーされるようなので、旦那にどちらの病院がいいか聞いてから産婦人科に電話し、手術のスケジュールを入れてもらった。手術前と手術後の診察予約も入れた。
5月の手術が決定し、手術前にやることや注意点が書かれたPDF、病院へのアクセス方法についてのPDF、手術前日と当日の体の洗い方についてのワードファイルをEメールで受け取る。手術開始は朝7:30、病院へは5:30までに来るようにとのこと。ちょっと朝早すぎない?
手術の日程が決まってから手術まで約2ヶ月あった。自分ど旦那の仕事のスケジュールの都合がつく日を選んでいたら少し先になった。日程が決まったことで少し現実味を帯びてきてはいたものの、なんだか遠い未来のような気がしていた。